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#002 DJとJAPAN MADEのものたち

HIPHOPのはじまり、それはDJ KOOL HERCが自身のブロックパーティーにて2つのターンテーブルを使用し曲の間奏であるリズムだけの部分を2枚のレコードを使って繰り返すブレイクビーツを発明したことです。
それをさらに文化として世界に広めた人物。それがDJ GRANDMASTER FLASHです。

彼が活動を始めた1970代後半の頃はレコードの針をリズムの部分に落とす際は目測でやっていたため、リズムがずれることも多かったことから、彼は最適なループを作るのに様々な研究しました。傷がつく・汚れるという理由からタブーであった「レコードを手で触る」というスタイルをはじめ、レコードに曲の頭の部分の印をつけるなど、曲のつなぎの精度を高めていきました。ターンテーブルでは、ありとあらゆるメーカーを試したのですが、多くのメーカーのものは止まっている状態から最大速度に達するまで時間がかかる中、一番早く最大速度に達したターンテーブルが当時無名のJAPAN BRAND、パナソニック「Technics SL-23」でした。

また、曲のかけたい部分でレコードを止めておく為に彼は、フェルトを円形に切ったものをターンテーブルの上に乗せました。それにより滑りが良くなりレコードを巻き戻す時にスムーズに回るようになりました。これが後のスリップマットとなるのです。スリップマットは、プラッター(ターンテーブルの回転部分)とレコードの間に敷くもので、レコードを程よく滑らせるためのマット。DJ用ターンテーブルに付属品として付いていたり、色々な素材、デザインのものが出ています。その中でも絶大な支持があり世界中で愛用されているスリップマットブランドが「Dr. SUZUKI」です。「Dr. SUZUKI」は、1975年より数多くのスリップマット開発に携わってきた鈴木氏が2000年代初頭に立ち上げたJAPAN MADEのブランド。1975年以前から「Technics SL-1200」シリーズ付属のラバーマットを手掛け、最高のスリップマットを作るために40年以上心血を注いできた真の職人。一枚一枚手作業で作られ、品質に徹底的にこだわり、よりよい製品を生み出すために研鑽を怠らないその姿勢は、日本の古き良き職人の姿そのものです。

ターンテーブリスト達に多大な影響を与えてきたJAPAN MADEの物たち。
その品質やこだわりを大切に、僕らもものづくりをしていきたいと考えています。